1.跳び箱運動とは
跳び箱運動は、障害物を征服する運動である。跳び箱という障害物を跳び越すことにより基礎的な体力、跳躍力、機敏性、身体支配能力の向上とともに、注意力、勇気、決断、自信などの精神要素の養成も目標にしています。
また、日常なかなか鍛えることのできない『身体を支える力』、『物との距離を測る力』を鍛えてくれます。
2.跳び箱運動の特性
(1)一般的特性
- 主に、「踏み切り」「着手」「空間動作」「着地」の4つの場面から成り立っている運動。
- 手で支えて跳びこしたり、跳び箱の上で回転したりと、日常生活では通常行われない動きを含んだ運動。
- 切り返し系(開脚跳び、かかえ込み跳びなど)や回転系(台上前転、首はね跳びなど)の技で構成されている運動の中から自己の能力に適した技に挑戦し、それを達成したときに楽しさや喜びを味わうことのできる運動。
- 「できる、できない」、もしくは「上手い、下手」などの技の完成度などが明確な運動。
- 技の完成度が明確な分、仲間の技を見て考えることにより、できるようになる理由を見つける力を育てられる運動
とくに縦跳びになると(小学生)
「踏み切り」から手をつくまでの間、跳んでいることを「第一跳躍」といいます。そして、「第一跳躍」から跳び箱上に手を着くことを「着手」といいます。(そのままですね)
「着手」後に、着地までさらに跳んで跳び箱を越えなくてはいけません。
これを「第二跳躍」といいます。専門用語が必要なのではありません。
大切なのは、跳び箱運動がこうして一連の動きに分解されると言う概念を知ることです。
3.跳び箱を上手に跳ぶためには
(☆はお家での練習方法です。チャレンジしてみよう!)
(1)恐怖心を克服しよう
『ぶつかるかもしれない』、『落ちるかもしれない』、『どうせとべない』という恐怖心や気持ちが身体の動きを制限してしまい、正しい姿勢が上手に取れずに跳びにくくなります。まずは、低い段を跳び越したり、跳び箱の上から跳び下りたりと、高さの感覚を身につけよう。また、『ぜったい跳ぶぞ』『きっと跳べる』という気持ちで練習に取り組むことも大切です。
☆ジャングルジムの上から跳び下りたり、少し高いところからジャンプをして遊びましょう。
(2)技術を身につけよう
①助走から踏切までの動きを身につける(助走から踏み切り)
走って両足で踏み切ることができない子が意外と多いです。
☆フラフープや地面に円を書きそこへ向かって走ってジャンプをして中に入る練習をしてみましょう。
また、その場で連続でグ・パ・グ・パとジャンプができるようにしましょう!
②手を前に着く(着手)
腕支持感覚を身につけることが必要です。
☆手押し車(お子様の足首やももを持ち歩く運動)をしましょう。
③体重を前に移動させる(体重移動)
跳び越えるときは、後ろから前へ体重を移動させます。腕・手を支点として、手よりも肩や頭がしっかりと前に出るようにすると跳び越す事ができます。体が前に出る姿勢は子どもが恐怖を感じやすいため、子どもの腕と腿の裏を持ち運んであげる補助をすると効果的です。また、跳び箱を後ろに引きながら跳ぶと身体を前に出すことができます。跳びだすとき視線を斜め前にしましょう。
☆馬跳びで練習をします。親が床で伏せて丸まり、低い高さから行うと挑戦しやすくなります。
手を一番奥(指が曲がるまで)につき跳ばせます。着地の位置を伸ばすことを目標にすると体重移動の練習になります。
また、跳ぶイメージは跳び箱の前に透明な板があり、その板に頭をぶつけて板を割るように身体を前に出しましょう。
跳びだすときの視線も大切です。視線は着地する斜め前(下)を見ます。ただ、最後まで下を見ていると頭から落ちてしまいますので着地の瞬間は顔を上げましょう。
④着地
跳び箱の先の見えない場所に跳ぶ恐怖心や距離感覚が掴めず助走スピードがコントロールできないと転びます。
☆恐怖心を克服するジャンプ遊びをしましょう。その時着地は膝を曲げて柔らかくします。
また、助走はとりすぎずに行います。馬跳びの練習もその場で走らずに跳ぶ練習を着地までしっかり行いましょう。
家で跳び箱の練習をするときは、必ず親が見守り、ケガのないようにすることが大切です。着地場所に布団を敷くなどし、ぶつかったらケガをするような危険なものがないかもチェックしてから行いましょう。
幼児では体格や身体能力、ケガの防止の観点から跳び箱の向きを横向きにして行います。
上記の条件が整い次第縦向きにすると良いでしょう!
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