１．鉄棒運動とは（一般的特性）
鉄棒運動は、基本的な上がり技や支持回転技、下り技を安定して行い、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりする運動です。（上がる→回転する→下りるを楽しむ運動である）
また、ぶら下がったり回転したり、普段の生活では中々しないような運動を楽しむことができます。鉄棒を握ってぶら下がるというシンプルな動きだけで、握力が鍛えられます。まっすぐにぶら下がることで、背筋が伸びて姿勢もよくなります。回転することで三半規管を鍛えることもできます。
鉄棒に小さいころから触れている子には楽しいと感じることが多い。一方で、鉄棒運動が「嫌 い」「あまり好きではない」と答える子どもも多く、その理由として，「鉄棒が苦手でうまくできない」「技が難しい」「手が痛くなる」「おなかが痛くなる」などが挙げられており、うまくできないことや鉄棒への恐怖心が嫌いになる要因になっていることが考えられる。
また、個人の運動だけでなく、ペアやグループで動きをそろえて演技をしたりすることもできる運動です。
さらに、鉄棒で遊べるようになれば、公園などでも遊びの幅がグンと広がります。そのためには、『握力』に加え、『ジャンプ力』や『腕で体を支える力』が必要で、何度も練習することによって鍛えられます。
鉄棒は、公園にもある手軽な遊具です。実は、筋トレ用の器具として大人も楽しめます。腕を中心とした全身運動ができるので、体力作りにも役立ちます。親子で楽しみながら、体力アップにぜひ親子で楽しみましょう。
２．逆上がりができるようになる為には
（☆はお家での練習方法です。チャレンジしてみよう！）
①恐怖心を克服しよう
いきなり難易度のある逆上りにチャレンジしても鉄棒に慣れ親しんでいなければ鉄棒に必要な運動感覚や筋力もなく成功することは困難です。鉄棒に上がる恐怖心や回転することによる恐怖心など鉄棒には怖いと思う要素が沢山あります。まずは鉄棒に慣れるための遊びや簡単な技から習得していきましょう。
☆足がすぐ浮かせられるぐらいの高い鉄棒でぶら下がりブランコのように体を振りましょう
☆ブタの丸焼き、ツバメ、など回転をしない遊びをしよう！
ブランコ 
ブタの丸焼き 
ツバメ
☆ジャングルジムに登ったり、うんてい、登り棒などでぶら下がったり登ったりして遊ぼう！
②逆上りの基本姿勢（ポジショニング）を覚えよう
まず、鉄棒の高さは子どもの胸くらいがやりやすいです。
ちょうどいい鉄棒の高さを選んだら、基本姿勢を確認しましょう。
（1）鉄棒を逆手で持つ（握り方）
初心者は腕を曲げ力を入れやすい逆手が良いでしょう。逆手でできるようになったら順手にしましょう。
逆手 
順手
『逆手』とは
手の平を上にする握り方です。
主に初心者の逆上がりや後方回転系の技に使うことが多いです。
メリット
・腕に力が入りやすい(懸垂すると分かるかと思います)
デメリット
・逆上がりのあとに技を続けられない。
（手が逆になっていて連続逆上がり、後方支持回転（空中逆上がり）につなげられない）
・手から鉄棒がすっぽ抜けて、落下の危険性がある
『順手』とは
手の平を下に向ける握り方です。
主に前方回転系の技に使います。逆上がりが苦手な子には手首を返して肘を曲げにくいので逆手をお勧めします。
メリット
・逆上がりのあとの技に繋げやすく発展性がある
・順手の場合は腕の力だけでなく背中の筋肉も動かすので、体の使い方が上手くなる
・手から鉄棒がすっぽ抜けて、落下の危険性が少ない
デメリット
・鉄棒をお腹の方に引きつけにくい
・腕を曲げて引く力を出しにくい
（２）鉄棒を胸につける（肘を曲げる）
腕は肘を曲げて、体と鉄棒が離れないようにします。
（３）足は鉄棒を挟んで前後にひらく（鉄棒より前足を前に出す）
蹴り上げる方の足（利き足）を後ろにします。タイミングよく真上に蹴り上げるイメージで回転します。（１）・（２）・（３）ができたら逆上りの基本動作に進みます。
３．逆上りができるまでの４つの基本動作を覚えよう
（１）足を振り上げる
前足（踏み込む足）でしっかり踏み込んで後ろ足（蹴り足）を振り上げます。その後、前足も後を追いかけるように、すぐに蹴り上げる（キック・キックとダブルキックです）。
☆踏み台を使って踏み込みと振り上げを練習しよう！（少し高い鉄棒の方がやり易いです）
台に踏み込む足をのせる！ 
振り上げ足を上げた後踏み込む足をけり上げる！
（２）肘を曲げて体を鉄棒に引きつける
足を蹴り上げてつけた勢いを消さないように、肘を曲げてお腹を鉄棒に引きつけます。体が鉄棒から離れないように、腕に力を入れることを意識しましょう！
☆ダンゴ虫で腕の筋力を鍛えよう！（目標１０秒我慢）
☆斜め懸垂をしよう！（目標１０回）
ダンゴ虫
鉄棒にアゴをかけないように！
斜めけんすい①
腕を伸ばして～曲げる！
斜めけんすい②
膝を伸ばす！お尻を下げない！
（３）逆さまになる
逆上がりの『逆』は逆さまの『逆』です。アゴが上がらないようにアゴを引いて頭を後ろに倒し、頭を鉄棒の真下まで下げます。目線は振り上げ足のつま先を見ると良いでしょう。
☆タオルを鉄棒に巻いて体と鉄棒が離れないようにして頭を後ろに早く倒す練習をしよう！
タオルを鉄棒に巻き付けて
鉄棒と一緒に握る！
頭を思いっきり後ろに下げよう！
お尻が鉄棒の下に落ちないので
楽に鉄棒に上がれるよ！
☆くるりんベルトという補助器具もあるよ！
（４）上がる
布団干しの形までこれたら、あとは顔を上げて鉄棒の上に上がりましょう（ツバメの形）。そのまま降りてアゴを鉄棒にぶつけないように気をつけましょう。
☆鉄棒の上にジャンプをして上がりツバメの形を作ります。前回りの途中で布団干しの形で止まり、そこから顔を上げてツバメの形に戻る練習をしよう！逆上りの最後の上がる局面ですね！
４．まとめ
最後に一連の流れで確認してみましょう！！
逆上がりの基本姿勢をとる！ 
前足はしっかり踏み込む！ 
後ろ脚を振り上げ頭を下げる！
前足もキックしてダブルキック！！
腕を伸ばさないように
鉄棒に体を引きつける！
ここで前足は振り上げ足を
追い越していきます！
最後に顔を上げて鉄棒にあがろう！
逆上がりは鉄棒運動の中でも基本的なものですが、誰もが簡単にできるようになるものではありません。習得までの道程は長く、子供たちにとってはまさに大きなチャレンジです。
しかし逆に、逆上りは（１）の足の振り上げはほとんどやらなくても、（２）の体の引きつけだけでできる子もいます。体重が軽い子で自分を支えられる腕の力が身についていればできちゃったりもします。ですので、体の軽い幼児期や低学年のうちにできるようになるといい種目です。
逆上りに限ったことではありませんが、大切なのはできない事にチャレンジし、一生懸命練習する過程だと思います。「練習してできるようになった」という成功体験や達成感は子どもの成長にとってかけがえのないものです。また、それが自信になり、今後の新たなチャレンジの際に背中を押してくれるはずです。苦手意識を克服するには努力が一番！焦らずにじっくりと取り組みましょう！
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