子どもの走力を上げる為には Part2
走力を上げるためにはスタートダッシュを身につけることも必要となります。
1.スタートで素早く動き出すために必要なことは2つあります。
- 重心移動を速くする
- 反応速度を上げる
スタートのフォームを覚えて、重心移動速度と反応速度を高める練習をしよう!
重心移動を速くする(スタートのフォームは・・・)
①手をパーか卵を持つように軽くグーにする
上半身の力を抜き、滑らかな腕振りをします
②前脚の膝を曲げ前に転びそうになる角度まで身体を倒す
前足の膝の角度を狭めていくことによって重心が下がり力強くスタートできます
③背中を丸めないように後ろ足のつま先から膝、腰、肩、頭が一直線上になるようにします
「この角度を超えると転んでしまう」という角度を超えた瞬間に逆足(後ろ足)を前に出して進みます。そうすることにより自分で一切力を入れずに身体を前に進めたことになります。
これは非常に楽な(言い換えるとエネルギー効率の良い)運動です。スタートでは膝の角度を狭めていくと勝手に重心が移動するので、その力を使った方が良いのです。
反応速度をあげる
反応速度とはスタートの合図で素早く動き出す事です。
素早く動き出す為には4つの速度を上げなければいけません。
これは以前の記事で書かせていただいた『運動神経を伸ばすには!?』の運動の3ステップより説明します。
運動の3ステップとは
運動が発現するまでには3つの段階があり、次の3つの過程を経ます。
①五感からの情報を脳でイメージする
まず耳や目などの感覚器官が受容した情報が脳に送られます。
②脳から身体へイメージを伝える
脳内で次のアクションを決定し、行動を起こすにあたって必要な筋肉に向かって脳から指示が出ます
③身体でイメージを表現する
実際に筋肉が動き、脳内でイメージした行動が実行されます
の3つです
つまり
1.感覚器官→脳の電気信号のやり取り
2.脳内の情報処理速度
3,脳→筋肉の電気信号のやり取り
4.筋肉の収縮速度
この4つの速度を全て上昇させないと、トータルの反応速度は上昇しないということです。
この4つの局面を高めるための具体的なトレーニングを解説します。
トレーニングは、合図に一早く反応し、動き出す練習です。
2.合図の種類は
①笛など耳からの聴覚からの合図
②ボールや旗が視界に入ったら動き出す視覚からの合図
③タッチされたら動き出すなどの触覚による合図
3.スタートのポジション 例(他にも色々考えてみましょう)
①直立
②後ろ向き直立
③長座
④後ろ向き長座
⑤横向き腰落とし
⑥仰向け
⑦うつ伏せ
⑧直立ジャンプ1回転
⑨直立その場で10回足踏み
⑩直立その場で10回膝抱え込みジャンプ
3つの「合図」それから複数の「スタートポジション」を組み合わせることによって、多くのパターンを実施することができ、さまざまな刺激での反応速度を高めることができます。
結果的にどのようなシチュエーションでも素早く反応することができるようになります。
全体を通して言えるのは「合図」を受けてから走りだし、10m先のゴールまで競争しましょう。
スタート速度を高めることはもちろんですが、その後のダッシュもきちんと全力で走って勝負しましょう。今は反応速度を高める練習ですが実際のレースではその後50mや100m走るので、素早いスタートから効率の良い加速につなげることが必要だからです。
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