コーディネーショントレーニング

運動神経

まずコーディネーショントレーニングを行う前にトレーニングについてお話します。

1.トレーニングの原理

運動はやりすぎるたり方法を間違えるとケガを起こしたり、あるいは循環器系の合併症を引き起こしたりする可能性もあります。運動は闇雲にただやればよいのではなく、安全で効果的に行うためにはいくつかの決まり事があります。

3つのトレーニングの原理は・・・

①過負荷の原理


ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。その強度の最低ラインは、日常生活の中で発揮する力以上の負荷です。キツいトレーニングが嫌だからといって軽すぎる強度では変化を出すのは難しいのです。

②特異性の原理


運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。わかりやすくいうと、短距離走のトレーニングをすれば短距離は速くなりますが長距離は速くなりません。その競技や種目、目的にあったトレーニングを行う必要性があるという事です。

③可逆性の原理


せっかく獲得した効果もトレーニングを中止すると失われてしまうことです。維持するためには、トレーニングを継続していく必要があるのです。

2.5つのトレーニングの原則

①意識性の原則

トレーニングの目的は何か、どの筋肉を鍛えているのかなどを意識して取り組むことが重要です。トレーニングの内容・目的・意義をよく理解して取り組みましょう。

②全面性の原則


部分的な限定的なトレーニングではなく有酸素能力・筋力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えることです。

③個別性の原則


トレーニングの内容を個人の能力に合わせて決めるようにします。これは効果を得るばかりでなく、安全のためにも極めて重要なことで、ひとりひとりの能力を細かく見極める必要があります。

④漸進性の原則


体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ・量・技術課題、負荷などを次第に高めていくことです。いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません。定期的なプログラムの再検討が重要になります。

⑤反復性の原則


運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。繰り返し行うことは、技術を上げるための重要な要素です。

3.コーディネーショントレーニングの原則

コーディネーショントレーニングを行う際は下記の5つの原則に注意して行いましょう!

①両側性

左右の手や足などバランスよく行うようにします。利き手利き足だけではなく意図的に逆まわり、反対などの動きを適宜取り込みます。

②変化

変化に富んだバリエーション豊かな方法を考えましょう。大きさや、重さを変えたり高さや幅を変える。ゲーム形式の場合は人数や区域を変えたりと外的な条件も変えてみましょう。勿論動作条件の変化も工夫しましょう。

③短時間

コーディネーショントレーニングは神経系を刺激する運動です。集中して取り組む為にも、1つの運動を短時間でバリエーション豊かな内容にしましょう。

④差異化

いつもとは異なる動きをしたり、普段使わない道具を用いるなど工夫しましょう。トランポリンで行ったり障害物を取り入れたり。

⑤複合

実際のスポーツ場面におけるひとつの動作は、決してひとつのコーディネーション能力から構成されているわけではありません。いくつかの能力が複雑な組み合わせによってなり立っている運動ですから、トレーニングをする際も8つのコーディネーション能力を引き出すトレーニングを上手に『複合』させて行いましょう。

以上の点を踏まえて実践的なトレーニングを紹介していきます。

4.お家でできる おすすめのコーディネーショントレーニング

①ケンパー跳び

目的:リズム能力、変換能力、連結能力、バランス能力

対象:3歳~

実施方法

場所がない場合はその場で行いましょう。公園などで行う場合は地面に円を描いたり、リングを利用してください。

レベル1:普通のケンパ

「ケン・パ➡ケン・パ➡ケン・パ➡ケン・パ」×2

※利き足と逆の足でやってみよう

レベル2:足替えケンパ

「ケン・パ➡反対の足ケン・パ➡ケン・パ➡反対の足ケン・パ」×2

※『ケン・パ、反対・パ』と口伴奏してやってみよう!

レベル3:リズム替え1

「ケン・パ➡ケン・パ➡ケン・ケン・パ」×2

※利き足と逆の足でやってみよう

レベル4:リズム替え2

「ケン・ケン・ケン・パ➡ケン➡パ➡パ」×2

※利き足と逆の足でやってみよう

レベル5:リズム替え3

「ケン・パ➡ケンケン・パ➡ケン➡パ・パ」×2

バリエーション:手の動きも考えてつけると良いでしょう!(例:ケンの時は頭上で拍手、パの時は頭上で手を広げてパーにする。)

②握手で手叩き

目的:変換能力、反応能力

対象:3歳~

実施方法

1.親子(2人一組)で左手を握り合う。

2.ジャンケンをして、勝ったら握っている相手の手の甲を叩ける。

3.負けた方は、右手の手のひらで防ぐことができる。

バリエーション

・反対の手でもやってみよう

・ジャンケンで負けたら叩けるようにしてみる

③ツーボールリアクションパス

目的:変換能力、定位能力、識別能力、反応能力

対象:6歳~

実施方法

1.親子(2人一組)で各自ボールを持ち、2~3mの間隔を取り、向かい合う

2.ジャンケンでリーダーを決める

3.リーダーがバウンドパスをしたら、ノーバウンドのパスをする

  リーダーがノーバウンドのパスをしたら、バウンドパスをする

バリエーション

・リーダーはフェイントを入れる

・慣れてきたらスピードを上げる

④ストップ・ザ・ボール

目的:定位能力、反応能力、連結能力

対象:3歳~

実施方法

1.ドッジボールやサッカーボールなどを使用します。

2.4~6m程離れる。

3.一人がボールを転がします。転がす瞬間に体のどこの部分で止めるか指示を出します。、もう一人は指示された部分で止めよう。

レベル1:止める場所を・・・右手、左手、右足、左足の4つ

レベル2:止める場所を・・・右手、左手、右足、左足、右膝、左膝の6つ

レベル3:止める場所を・・・右手、左手、右足、左足、右膝、左膝、お尻、頭の8つ

レベル4:ボールを転がす人は番号を言う。もう一人は言われた番号の場所で止める。

1は右手、2は左手、3は右足、4は左足、5は右膝、6は左膝、7はお尻、8は頭

※年齢やレベルに応じて番号の数を決めたり、転がすスピードを変えてあげましょう!

ケンケンパ遊びや敏捷性、アジリティトレーニングに使用できます。

5.まとめ

今回は4つのコーディネーショントレーニングを紹介しました。

運動の3ステップやコーディネーション能力を理解して子ども達に実践してみると今までとは違う視点から見ることができるかもしれません。

最初は上手くできないことも、継続して繰り返し練習することできっと上達が見られることでしょう。

大切なことは『楽しく行う』ことと『継続して練習する』です。楽しく行う工夫をコーディネーショントレーニングの原則に基づき考えてみましょう。

また、トレーニングは紹介していきますのでお楽しみに!!

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